YOXO Festival 2024で展示してきた

Takuya Ichise
TAKUYA ICHISE
Published in
Feb 5, 2024

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YOXO Festival 2024で展示しました。この記事では、イベントの全体像と展示内容について紹介します。会場の雰囲気、展示中の課題や改善点についても触れながら、今後の展示への取り組みを考えていきます。

YOXO Festival 2024について

2024年2月3日(土)から4日(日)までの2日間、「YOXO Festival 2024」が開催されました。土日の開催でしたが、私は予定があったので日曜日のみ展示参加しました。横浜ガジェットまつり時代を含めると、今回が3回目の展示参加でした。

横浜ハンマーヘッド

YOXO FESTIVAL 2024は横浜の複数会場で分散して行われました。私が展示したのは横浜ハンマーヘッドでした。横浜ハンマーヘッド 新港ふ頭ターミナルは2019年10月にオープンした、「客船ターミナル」を中核に、「高質なホテル」「商業施設」を備えた複合施設で、YOXOの展示はその中のCIQホールで行われました。

横浜ハンマーヘッド
展示者用の搬入ルート

会場の課題

会場のCIQホールは窓全開で実質半屋外であり、そのため気温差で体調を崩す人が出ました。私自身もイベント後に少し体調を崩しました。屋外展示をするブースのため扉を常時開放にしてましたが、海風が吹きつけて寒かったです。扉を常時開放するのではなく、屋外との通路に冷気を入れない何かを挟んであげて、室温を下げないようにすることが望まれます。温度管理はYOXOの毎年の課題であり、毎回体調不良者が多く出る印象です。あと展示エリアが広範囲に散らばっており、今回も他の展示会場を見て回ることが難しかったです。

イベント終了後のCIQホール搬入口。横浜港の目の前でした。

ブース

ブースサイズに関しては全く不満はありません。前年は狭かったですが、今回は改善されてました。ブースの内容に関しては、企業ブースと個人ブースで大きく雰囲気が異なりました。会場内でお客さんが集まる場所がはっきりと分かれていたため、全体の導線を考えて、展示ブースの配置を考慮する必要がありそうです。あと明らかにお客さんの数よりスタッフ数が多すぎて密になってるブースも見受けられたので、スタッフ人数の制限を設けることが望ましいです。

運営の問題点

イベントの運営面では、特に個人情報の扱いが雑だったこと、展示チェックが不十分であったことが問題点として挙げられます。出展物のチェックをもっと厳密に行い、物販を行っているブースの最低限のチェックを実施するべきでした。

展示内容:「omicro balloid(オミクロボロイド)」と「omicro(オミクロ)」

私のブースではMake Faire Tokyo 2023から引き続き「球体型ロボット omicro」と「複合現実と自律型AIをもちいたマルチエージェントシステム omicro balloid」の2つのプロジェクトを展示しました。どちらも球体型ロボットを用いた展示で、片方は手動操作を楽しんでもらう体験型展示、もう片方は自動で動くロボットの動き方をバーチャルから制御する体験型展示でした。

omicro」は、自走式の球体型ロボットで、スマートフォンやタブレット、Apple Watchを介して操作できる点が特徴です。

一方「omicro balloid」は、複合現実と自律型AI技術を活用したマルチエージェントシステムで、iPadアプリをコントローラにしてomicroを複合現実を介して制御するのが特徴です。球体型ロボットと複合現実空間上のゲームAIが連携して動き、群れのような動きや複雑なパターンを実現しました。

自分のブースでの体験

私のブースでは、ありがたいことに訪れたお客さんが途切れることなく、トイレ休憩を挟むことなく6時間にわたり展示の説明が続きました。特に家族連れの来場が多く、来場者の約9割が子供を伴う家族でした。

omicroは、操作体験を求める子供たちに特に人気があり、昼から夜にかけて、使用していたスマートフォンが手元に戻ってこないほどでした。また、omicro balloidは選択式のインターフェースが採用されており、これが子供たちから好評を得ました。彼らは遊び方を自ら考え、楽しんでいる様子でした。

これまでの展示では、omicroとomicro balloidのどちらか一方を中心に展示することが多かったのですが、omicroが自動操縦により数分程度目を離しても展示できるようになり、omicro balloidも導入説明後はほぼ自動で操作が可能となり、安定して楽しんでいただける状態になりました。そのため、当日はこれらの展示を1人で両方行うことができました。エンジニアとして、人手を増やして展示を拡大するのではなく、自分自身やロボット、ソフトウェアの拡張によってスケーリングできるようにしたいと常に考えています。テクノロジーを活用して展示をスケーリングできたことは、非常に嬉しい成果です。

技術的な挑戦と成功

omicroに関しては、MbedからESP32-S3へのマイコン変更によりファームウェアをフル交換したので不安視してましたが、大きなトラブルなくイベントを乗り切ることができました。NeoPixelでLEDの色を変える際の問題や、Bluetoothのネットワーク切れの際の再接続がうまくいかないなどの問題がありましたが、それらを乗り越えることができました。Unityアプリを使用した複合現実展示は、ロック機能をつけたことで、子供たちが自分で考えて設定して操作できるようになり、こちらから説明する機会が大幅に減りました。

8角形の赤いプリント基板は中国で縁起がいいとされる要素を取り入れて新しく作ったものです。

展示とインタラクションの改善

操作体験を求める来場者が多かったため、次回からはゲームコントローラーの貸し出しを検討しています。また、子供向けのインターフェースを充実させる必要があると感じてます。

まとめ

YOXO Festival 2024は、多くの来場者や展示者を集めましたが、運営の面でいくつかの課題が浮き彫りになりました。特に、個人情報の扱いの雑さや、展示チェックの不十分さが挙げられます。会場の環境に関しても、特に温度管理や展示エリアの配置について見直しが必要であることがわかりました。

私個人の展示に関しては、技術的な挑戦と成功、そして展示とインタラクションの改善について、今後のイベントで役立つ貴重な学びが得られました。

最後に

悪天候の中、ブースに足を運んでいただいた皆様に、心から感謝いたします。遠方から多くのMakerが集まり、地元横浜でMake文化が確実に広がっていることを実感し、大きな喜びを感じています。かつてMaker界隈で認知度の低かったYOXO Festivalが大きく成長し、参加者の裾野が広がっている現在の状況に素直に喜びを感じています。横浜のど真ん中でMakeイベントを行うという夢が、このように早く実現し、多くの方々と共にMake文化を享受できていることに感謝します。運営チームの皆さん、このような素晴らしい機会を提供してくださり、本当にありがとうございました。

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Takuya Ichise
TAKUYA ICHISE

🗻Engineer, Maker 🎥http://youtube.com/@tichise